SDGs探究Library

SDGs探究AWARDS2023

SDGs探究AWARDS2022
審査員総評

近畿大学 総合社会学部 講師 保本 正芳 先生

近畿大学 総合社会学部 講師
保本 正芳 先生

『SDGs探究AWARDS 2022』にエントリーしてくださった皆さん、誠に有難うございました。

新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の拡大は、経済活動を縮小させ、一時的な環境改善に繋がりました。私たちは、「人間の経済活動が地球環境に負荷をかけている」ことを改めて認識しました。日本国内で感染が初めて確認されてから3年が経ち、政府は2023年5月8日に感染法上の分類を「2類相当」から、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行する方針を決定しました。しかしこれは、以前の社会に戻るのではなく、新たな社会に向けて更なる変化にしなければなりません。変化を意識しなければ、また新たな問題が起きる可能性があります。今後、経済活動が活発化する中で、SDGsの達成に向けた取り組みは、ますます求められることでしょう。

エントリーされた皆さんの取り組みは大変貴重であり、多くの方に共有することで、 SDGs推進に繋がると思います。皆さんの今後の活動を期待しています。

株式会社ツナグラボ 代表取締役 中西 將之 先生

株式会社ツナグラボ 代表取締役
中西 將之 先生

今年もSDGs探究アワードに数多くのエントリーを頂き、ありがとうございました。

2030年までのゴールに対して折り返し地点を過ぎました。この1年でもロシアによるウクライナの侵攻をきっかけに世界は大きく動いています。2023年が明けてChatGPTのニュースが連日流れ、いよいよAIと人間の共存が求められる時代に突入しました。皆さんの出してくれたアイデアをAIに投げてみたらどうなるか・・・答えは「やってみないと分からない」ですよね。不確実性が増す社会の中で、さまざまな事柄に目を向け、好奇心を持って仮説を立て、実験を繰り返しながら「調整しながら運用」することこそが、探究的な活動ではないでしょうか。人間にしかできない活動にこそ価値があることを意識しつつ、世界や身近にいる困っている人を「自分ごととして」捉えて、「まずはやってみよう」と一歩踏み出し、アクションを続けてもらえたら嬉しいです。

香里ヌヴェール学院 学院長兼中学校・高等学校校長 池田 靖章 先生

学院長兼香里ヌヴェール学院中学校・高等学校校長
池田 靖章 先生

この度はSDGs探究AWARDS2022にご参加いただきありがとうございました。皆さんからの応募作品は本当にバラエティーに富んだ素晴らしい内容で、受賞者を絞り込むのがとても難しかったです。どの応募作品も自分たちの周りにある課題に真摯に向き合い、解決しようとする意思を持っていて、これこそがSDGsの本質だと思えるものもたくさんありました。

本質を理解し、行動している皆さんに対して、評価すること自体、ナンセンスとは思いつつ、エールとリスペクトの意味を込めて審査致しております。

行動を始めている皆さんが、次に待ち受けるのはさまざまな失敗と壁です。人類は常にそれらに向き合ってきました。うまくいかないことだらけ。それらを工夫により乗り越え、少しでも課題の解決に繋げることに本当の意義があると思います。是非、様々な課題に関心を持ち、課題解決に向けて具体的な活動をしていただければと思います。

株式会社ルカコ 抱っこひも収納カバー専門店 ルカコ 代表取締役 仙田 忍 氏

株式会社ルカコ抱っこひも収納カバー専門店 ルカコ代表取締役
仙田 忍 氏

今年もたくさんの応募があり、受賞作品は実際に探究し、行動しているかで選ばせていただきました。SDGsを調べる、問題提起や考察までで終わってしまっているものも多いのも事実。ここ数年間はなかなか学生も行動に移しにくい状況だったかと思います。自宅学習・オンラインに授業が変わった事も多く、その中での探究は本当に難しかったかと思います。オンライン化が進んだことは世界の事を知る、調べる事が簡単になりました。実際に行動に移せるかどうか、たくさんの経験や失敗をして気づきを得る事ができたかで学生時代の視野は大きく違ってきます。また人に見てもらう、知ってもらうには魅せ方もとても大事です。いかにわかりやすく伝えるかは、今後の人生において素晴らしい財産・経験となります。今年は偶然にも【バナナ】に関するものが多かったのが興味深い結果となりました。去年は【自己肯定感】に関するものが多かったと記憶しています。自分を見つめなおす時間から、身近なものから世界に視野が広がった年になったのかなと感じました。海外に実際に行って行動にうつした作品が増えたのも去年との大きな違いだと感じます。SDGs探究AWARDSも今年で4回目の発表となります。過去の作品も今年の受賞作品とあわせてたくさんの方に見て頂けると嬉しいです。応募できなかった学生さんも次回是非挑戦してみてください。

株式会社アッテミー 代表取締役 吉田 優子 氏

株式会社アッテミー 代表取締役
吉田 優子 氏

部活動で感じた違和感など日常の自身の体験をきっかけにする方、海外の問題に取り組む方、様々なテーマの探究発表があり、どれも応募者の個性が感じられ大変素晴らしかったです。居場所や自己肯定感をテーマに取り組む方が複数いたことも時流を感じました。

評価については、取り扱う課題の大きさでは評価せず、設定した課題に対して自分なりの想いや情熱があるか、PCで調べるだけでなく体を動かして試行錯誤したか、完成された結果が出なくとも過程で気づきを得ているかを重視しました。

応募者の中には、問題の大きさや複雑さの前に「高校生・中学生の私には解決は難しい」と感じている方もいました。簡単に解決できないことに気づけたことも大切ですが、社会を変えることを皆さんにはあきらめないでほしいです。よりよい未来を創ることを他人任せにしないでほしいです。小さな行動からでも、人の活動に参加することからでも、かかわり方に優劣はありません。未来を変える活動を続けてほしいです。

「もっとこうだったらいいのに」「なんで、こうならないんだろう」心の中の小さな声に気づける自分でいてください。探究活動を続ける皆さんを応援しています。