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SDGs探究AWARDS2023

SDGs探究AWARDS2020
受賞作品

学生部門優秀賞

Comparative Study of a Sustainable and Resilient Towns/Farm Parks in the UK and Japan
英国と日本の持続可能・レジリエントな町/施設の比較研究

小林夏海 青山学院大学

  • SDGs Goal. 1~17

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プレゼン動画

受賞者からのコメント

この度は、数ある応募作品の中から優秀賞をいただき、身に余る光栄です。栄誉ある賞を受賞したことを大変嬉しく思っています。

卒業論文として書き始めたこの作品は、所属する英米文学科の授業内容とは接点のないテーマでした。卒業論文自体が選択科目で、まわりに卒業論文を書いた友人はほとんどいません。それでも取り組んでみたいとゼミの教授に相談し、「持続可能な社会づくり」について書かせていただけることになりました。

イギリスに1年ほど留学していた経験から、英国と日本とは共通点の多い国同士だと感じていました。慎ましい性格、奥ゆかしさ、マナー、と文化的にも様々な共通要素があります。地政的には、サステナブル先進国(ドイツ、北欧諸国、中国など)の隣に位置しており、世界規模の大都市を有する国だという接点があります。

この論文ではこうした共通点を持つ英国と日本から、温暖化、人口減少の進む地域、差別などという様々な問題に対して、希望を捨てず地域と共に団結するために少しずつ行動を起こし、大きな力にできる、そして改善ができると信じた町を比較対象としました。それぞれの代表として、サステナブルな町トットネス(Totnes)と千葉県木更津市を選び、SDGsの全17の目標と169ターゲットを用いて比較しました。

分析を通して、2つの町には数多くの相違点があり、異なった目的に焦点を定めていることが明らかになりました。1つは「サステナビリティ」の考え方を重視し、もう1つは「レジリエンス」を重視しています。サステナブルな町を目指すという大きな目標は一致していますが、重点の置きどころの違いから、これを達成するための方針やアプローチも大きく異なっていることが判明しました。

異なるアプローチやその組合わせを用いて相補性のある社会を実現するため、また自分の住んでいる町・地域をよりサステナブルで環境にやさしいものにするために、必要なアプローチを検証する参考としてこの論文がお役に立てば幸いです。

小林 夏海青山学院大学

審査員からのコメント

日本では、東日本大震災以降に「レジリエンス(回復力・復元力)」という言葉が注目され、さらに昨年からのコロナ禍により、現在は、誰もがどんな状況下でも柔軟に適応し、短期間での回復・復興が可能な「レジリエントな社会」が求められている。レジリエンスの向上はSDGsにも規定されている。
本論は、日本と英国の都市の比較により、サステナビリティ(持続可能性)とレジリエンスの概念に対する考察や、両国での環境意識調査結果などを報告したものである。持続可能であっても復元力があるとは限らない。これからの社会を検討する上で非常に重要である点について、自分ごと化していることを評価した。