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SDGs探究AWARDS2023

SDGs探究AWARDS2019
受賞作品

中高生部門優秀賞

簡易組織培養法による絶滅危惧種の救出活動

八幡 紗矢 長崎県立長崎南高等学校

  • SDGs Goal. 1貧困をなくそう
  • SDGs Goal. 2飢餓をゼロに
  • SDGs Goal. 8働きがいも経済成長も
  • SDGs Goal. 9産業と技術革新の基盤をつくろう
  • SDGs Goal. 15陸の豊かさも守ろう

地球温暖化による気温の上昇に伴う、植物の絶滅危惧種の増加。

PDFファイルダウンロード 探究 組織培養.pdf

参考文献
長崎市市民局環境保全課(2011)
「長崎市レッドデータブック」昭和堂印刷
カラパイア 不思議と謎の大冒険

ベトナムへ修学旅行で行った際、日中の気温が高く温暖化が進めばさらに気温は上がり植物は生息できなくなるものが増えるだろうと考えた。
その課題に、私達の長崎南高校では簡易組織培養法を開発し絶滅危惧種の保護・増殖を目的とした研究活動が行われている。
これは先輩方から受け継がれてきた研究で、長崎県の絶滅危惧種であるナガサキギボウシを救うため器具の高価さや無菌操作の難しさといった組織培養の課題を段ボールで作った無菌と、100円ショップの除菌スプレーで代用した。
キクで基礎研究を行いクローン苗の作出に成功し、ナガサキギボウシの再生個体まで作り出せることを確認した。
また現在は普及活動も行っており、日本の高校だけでなく海外の高校生と交流をし、研究発表を行っている。
この活動を広めれば、SDGsの1、2、8、9、15番の目標へも貢献できると考えている。
より多くに人に知ってもらえば、より多くの植物を絶滅から救う方法として有効であると考える。

受賞者からのコメント

この度は、このような賞を頂きありがたく思っております。
受賞を知り、とても驚いているとともに嬉しい気持ちでいます。
この研究を始めたころは、絶滅危惧種が救えるのかと不安でした。
わくわくしながら植え付けた植物の成長を観察していました。
初めてカルスができたとき、はじめて見る奇妙な姿に驚きはしたもののあまり実感はわきませんでした。
その後も観察を続けだんだん葉や根が出てきた時、初めてこの研究のすごさを実感しました。
大会にも出場することで多くの方から評価していただき課題も見えていきました。
一年ほど前には県内の高校生や兵庫県の高校生と交流をし、普及活動にも努め多くの人とつながりを持つことができました。
ベトナムの高校生にも実験のやり方を紹介して、うまくカルスができたと報告を受けた時にはうれしかったことを覚えています。
二年生になり後輩にも伝授し、これまでの活動で見えた課題解決への活動も始めました。
また昨年の11月にはシンガポールで発表もさせていただき、今回このような素晴らしい賞をいただけることになりました。
私は、この研究に出会い入学時に想像していた何十倍もの大きな経験ができたと思っております。
そしてこのような時期にまた私も進級目前というタイミングでこの賞を頂けたことは、今後の活動の励みになりましたし、本当に感謝しております。
これまでの活動で常に見守り助けてくださった顧問の先生、先輩方、家族、友達にも改めて感謝しております。
この研究はより多くの方に知っていただき活動をしてもらうことで絶滅危惧種への救出に、また世界の目標であるSDGsにも大きく貢献できる方法であると思っております。
今後も研究の発展や自身の進路実現に向けて、さらに精進していきたいと思います。有難うございました。

土橋バイオグループ八幡 紗矢長崎県立長崎南高等学校

審査員からのコメント

できる限り簡易で安価なものを作成し取り組んだ点を最も評価している。
学校が長年取り組んできたことを継続しつつ、マイナーチェンジでより良い研究に取り組んだことも素晴らしい。絶滅に瀕している植物を救いたい思いと行動が一致していることも評価している。
また、経済的な問題に言及しており、学校教育に対しての社会的意義は非常に大きいと考えられる。
検証データも明示できており、極めて面白い取り組みであると言える。