SDGs探究AWARDS2019

SDGs探究AWARDS2019 作品一覧

中高生部門優秀賞

セミの鳴き声から地球温暖化にせまる

村上 琴美 東京都立富士高等学校

SDGs Goal. 11 住み続けられるまちづくりを
Target. a 各国・地域規模の開発計画の強化を通じて、経済、社会、環境面における都市部、都市周辺部及び農村部間の良好なつながりを支援する。
SDGs Goal. 13 気候変動に具体的な対策を
Target. 3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警告に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。

二酸化炭素の排出量が年々増加し、地球温暖化が進行するにつれて、都市部の生物を中心とする自然環境が変化している。
そのため、気候変動の緩和や人的能力及び制度機能の改善、環境面における良好なつながりを支援すべきである。

PDFファイルダウンロード セミの鳴き声から地球温暖化にせまる.pdf

参考文献
浜口哲一(1994):指標生物―自然を見る物差し(フィールドガイドシリーズ),平凡社,日本自然保護協会,274-277pp
内藤通孝(2019):名古屋東山周辺の昆虫相:椙山女学園大学研究論集第50号(自然科学篇)Ⅲ.半翅(カメムシ)目 (4)セミ科 57-71
浜口哲一(1998):生き物地図が語る街の自然:岩波書店,52-67pp
林正美・税所康正(2011):日本産セミ科図鑑:誠文堂新光社,10-14pp
徳江義宏・今村史子・大澤啓志(2013):都市域の樹林地におけるセミ類の生息分布を規定する環境要因:ランドスケープ研究76(5),465-468pp

身近な生物であるセミは、地球温暖化による生態系への影響を知るための指標生物になると考え、セミの発鳴時間と環境データから地球温暖化による生態系への影響を探ることを試みた。
都内の観測点に測定装置を設置することで、発鳴時間や種数調査、樹木率、などの測定を行った。それらのデータから、地球温暖化の進行度合いを示す、「環境セミ指数」を考案し計算した結果、31.3 ~77.9(%)であった。
今回の結果からでは「環境セミ指数」が妥当なものか判断するにはデータが不十分なため、今後精度を追求していきたい。
将来的には、この指数を各地域で活用し、多くの人に地球温暖化が与える自然環境への影響について関心を深めてもらいたい。
この「環境セミ指数」が地球温暖化に対する人々の意識を変え、自然環境の保全へと働きかける第一歩となることを願っている。

受賞者からのコメント

私の考えるSDGsのイメージは、「世界中の誰と話しても通じる、共通の目標!」です。初めて聞いたときは、何かのグループ名かと思っていましたが、学校の授業でもよく登場するようになり、家で料理をする時などふとした時にも、「あ、SDGsのために気を付けよう!」と考えてるようになりました。そんなおり、探究の授業でセミの研究を行うことになり、しだいにSDGsと地球温暖化について考えるようになりました。

セミの研究で一番苦労したのは、セミの鳴き声の録音です。測定に用いたICレコーダーは、約3日間録音出来るのですが、録音したセミの声をひたすら聞いて解析する作業が大変でした。研究を重ねるうちに測定点が増えると、仕掛けに行く労力が増えるのはもちろん、かなり膨大な録音データを扱うことになりました。
夏に取ったデータを秋から冬にかけて解析するのですが、後輩や家族、時には友達にも手伝ってもらいました。

今回、SDGs探究アワードで、中高生部門で優秀賞を受賞することができ、とても嬉しく思います。地球温暖化や気候変動などの環境問題の影響は多岐にわたります。しかし、実際のところそれらを自分のこととして考えたり、イメージしたりするのはとても難しいです。そうした中で、探究活動を通してセミの生態からアプローチし、SDGsに携われたことは、とても良い経験になりました。未来を創る私たちだからこそSDGsを深く理解し、生活につなげることができることを学びました。今後も、この「環境セミ指数」が地球温暖化に対する人々の意識を変え、自然環境の保全へと働きかける第一歩となることを願って、これからも研究を続けたいと思います。

最後に、一貫してご指導頂いた本校教諭の向雅生先生、本研究の基礎を築いてくださった宮澤拓実先輩と松下直矢先輩、実験を手伝ってくれた後輩の菊地郁香さん、前田乃愛さん、関根歩未さんをはじめご協力頂いた全ての方にお礼申し上げます。また、SDGsの授業を行い、応募の機会を与えてくださった塩入直也先生に感謝致します。

村上 琴美東京都立富士高等学校

審査員からのコメント

全体的に非常に高度な論文となっている。特に環境評価指標「環境セミ関数」はユーモアに溢れ、着想点が面白い。
生態系から地球温暖化にせまる試みは、大変素晴らしい。
地球温暖化をテーマにする中で、日本の風物詩であるセミを題材にしたことは、日本に住む人々の自分ゴトに大きく繋がると思われる。さまざまなデータを用いて表現しており、主論の客観性・妥当性を見せようと工夫されていた。

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